力士はプロ選手として高報酬と言えるのか

2017年11月1日

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幕下以下でも給料は少し貰える

まず、大相撲の力士は日本相撲協会の協会員として登録されており、一般企業の会社員として働いているのと近いと考えて良いと思います。ですが、正式なメンバーとして見なされるのは十両以上の関取になってからで、幕下以下の取的は皆、力士養成員という立場になり、前者と区別されます。金銭面では給与が力士養成員では支給されません。でも、本場所手当が2ヶ月に1回支給されます。その額は最低の序の口力士でも7万円で、番付が上がるごとに金額は増えて力士養成員では最高位の幕下力士では15万円になります。また、相撲部屋という寮生活であるため、電気代などの光熱費、家賃、食費もかかりません。一般社会では、これらの額を含めて遣り繰りしなければならないことを考慮した場合、序の口力士で月給どれぐらい相当貰っているかを考えてみると、1人暮らしのケースで考えると東京都内の場合、家賃8万円、光熱費1万円、食費2.5万円が平均なので、計算すると、序の口力士の場合、だいたい月15万円相当の月収となります。幕下力士だと月19万円相当です。ちなみに3年前の首都圏での、大卒の初任給の平均額が月21万円程度で、高卒の場合だと、月17万円程度であることを考えると、「取的は無給に等しい」という事は誤りと言っても過言ではないと思います。しかも、厚生年金などの保険料も協会側が負担してくれるので、力士という職業は、関取になれなくても、会社員以上に稼ぐことができる職業と言えるのではないかと思います。

十両以上の給料について

ここからは、関取に昇進して正式にプロの力士として貰う金額について記述します。まず力士も会社員と同じく月給が支給されますが、その額は最高位の横綱力士で282万円、最低位の十両力士でも103.6万円もあります。ボーナスも年間で月2か月分支給されるので、十両力士でも最低年収は1450万円ほどになります。さらに、3月に大阪、7月に名古屋、11月に福岡で行われる地方場所ごとに宿泊費・日当が35日分支払われ、その額は1日当たり十両力士で6500円、横綱力士で1.1万円となっています。従って105日分と考えれば、十両力士で年68万円ほど、横綱力士で年115万円ほどになります。東京で行われている本場所の際にも力士補助金として年7.5万円が支給されます。さらに、三役以上に昇進すると年6回開かられている本場所・地方場所ごとに本場所特別手当も加算され、横綱力士で20万円、大関力士で15万円、三役力士で5万円が場所の3分の2以上になる11日以上出場すれば満額で支給されます。それ以降は6日以上で満額の3分の2を、1日だけ出場しても満額の3分の1をそれぞれ貰うことができます。

この金額はプロ選手として妥当なのか

ここまでを合算すると十両力士の年収は約1500万円、横綱力士だと年収は約4200万円になります。厚生労働省が調査した役職ごとの年収で部長クラスが薬650万円であることを考えると、会社員として考えた場合、十両力士でも相当高額であることが分かります。しかし、プロの選手として考えると、この金額だけでは、横綱のケースでも安い方ではないかと思います。例えば、プロ野球選手の場合、年収が1億円を超えているのは100人ほどおり、最高額は広島東洋カープに所属している黒田選手で、推定年俸は6億円です。プロサッカー選手の場合でも、平成28年のデーターによると、横綱の年収以上を貰っている選手は65人ほどいます。最高額はガンバ大阪に所属している遠藤選手で1.6億円でした。

力士褒賞金でプロ選手に相応しい給料になる

これだけだと、プロ選手としては高報酬とは言えませんが、これ以外にも収入を得るケースはあります。まず、幕内の取り組みでは三役以上などの上位や人気力士の取り組みに対して企業から懸賞金が付くことが多く、1本あたり5.5万円が勝った力士の手元に入ります。近年、1つの取り組みで20本以上懸賞が付く取り組みもあるので、一気に100万以上の収入が入るケースも珍しくありません。ちなみに、懸賞金1本に入っている現金は、半額の3万円となっていて、経費5000円分を加えた6万円が懸賞金を出すのに必要な額です。

収入で給与の次に柱になっているのが、力士褒賞金です。これは本場所の成績によって支給される額が上がっていく仕組みになっています。具体的には勝ち越した点数、金星、幕内優勝回数の3つの要素で決まっています。勝ち越した点数1点当たり2000円が加算されます。例えば、ある場所の成績が11勝4敗だった場合、勝ち越しが7点になるため、次の支給から1.4万円が上積みされます。仮に負け越したり、休場したりしても減額されることはありません。なので、勝ち越した場合、力士は給金が直ったといって喜ぶことが多いです。しかも、入門した地点から勝ち越し点数は加算されていくので、初めから0円という事もありません。現に、入門した時から1.2万円分が自動的に入り、関取になった地点で、16万円分に引き上げられるので、あまり芳しくない成績で昇進しても、この金額を最低限受け取れます。ただし、関取にならないと支給はされません。また、階級が落ちた場合、自動的に引き上げられた分が取り消されてしまいます。次に、金星と優勝について、1回あたり、それぞれ4万円、12万円の加算になり、全勝優勝の場合は20万円も加算されます。なので、最強クラスの成績力士だけでなく、前頭力士でも横綱力士を1回でも倒せば長期的に見れば大幅な金額アップに繋がります。

この力士褒賞金は場所ごとに年6回支給されます。横綱力士の場合、最低支給額は60万円となっています。ちなみに、現役力士では第69代横綱白鵬関の支給額がトップで、既に750万円を超えているので、年額だと4500万円以上となります。また、優勝賞金は幕内の場合で1000万円、十両で200万円となっており、実力で勝ち続けていれば、億単位を稼ぐことは可能だと思います。

さらに、部屋によっては後援会からも小遣い的な要素で貰っているところもあります。

以上のことから、力士はプロ選手としても、それなりの報酬を得ることができる職業であると言えるのではないかと思います。