力士は、どのようにして体を作っていくのか

2017年11月1日

金剛力士(仁王像) 阿形・吽形2体セット+名札付

力士の体づくりについて

力士は、日本相撲協会などから報酬や給料を貰い、肉体1本で稼いでいることを考えるとプロスポーツ選手の1種と考えた方が良いと思います。そこで、力士はどのようにしてプロスポーツ選手としての体を作っていくのかを、ふれてみたいと思います。

力士の運動量について

まず、運動量から考えてみると力士は、ほぼ毎朝稽古を熟しています。その内容は体の柔軟性を高めるなど、基本体型を作るための四股・すり足・股割りと取り組みに勝利するなど、実践的な力を身につけるためのテッポウ・ぶつかり稽古などがあります。また、さらに本格的な実践稽古も用意されていて、同じ相手と何十回も相撲を取る三番稽古と勝った場合に相手を自由に選んで相撲を取る申し合い稽古の2種類あります。

これらを組み合わせて最大5時間じっくりかけて行うので、消費カロリーは相当な量になります。なので、プロスポーツ選手の中では最も多いように思えますが、実は水中で激しく全身を動かすシンクロナイズドスイミングの選手が消費するカロリーが一番多いといわれています。なぜなら、水中では浮力に対抗して体を動かすことになるので、ウォーキングなど、同じ運動を陸上で行った場合よりも消費されるカロリーは高くなりやすいからです。もちろんプロ選手の場合だと、練習時間も力士と同じか、それ以上になります。例えば、ランニングで100kcalを消費するのに10分かかりますが、水泳のクロールでは僅か6分で済みます。一昔前に水中ウォーキングが健康に良いとブームになったこともありましたが、普段生活している以上に体を動かせるからではないかと思います。また、相撲に関しても注目し始めた近年になってから、力士が行っている四股や、すり足などが健康に良いとテレビなどで宣伝されるようになりました。これらを熟すことで体幹を鍛えられる効果があるとされています。また、ダイエットという観点から10年近く前から第65代横綱で師匠の貴乃花親方が四股をベースにオリジナルの運動方法を考案したシコアサイズというエクササイズ方法を広げており、全国各地で少しずつではあるものの普及し始めています。

力士の食事内容と量について

運動量が相当大きいので、食事で取るカロリーの量も多く、大体1日あたり8000kcalも摂取します。力士が食べる料理として有名なのは、ちゃんこ鍋ですが、この料理自体のカロリーは具材によって異なるものの、1人前で凡そ550kcalほどで意外とヘルシーです。カロリーを左右する具材として肉類などが挙げられますが、相撲部屋で用いられるのは鶏もも肉や豚バラ肉が多いため、これらは肉類の中でも比較的カロリーが低い食材になっています。例えば100gあたり鶏もも肉が約200kcalなのに対して、牛肉でよく用いられるバラ肉は500kcalを超えています。また、相撲部屋によっては鯵のつみれなど魚類を主体にしている、ちゃんこ鍋もあります。

では、どのようにしてカロリーを増やしているかと言いますと、内容より量を重視して増やしていることが多いです。具体的には、ちゃんこと一緒に食べているご飯の量が挙げられます。取的と呼ばれている若手力士の場合は大量にご飯を食べることも仕事の1つに数えられているほどです。成人男性の1回の食事あたりの、ご飯の量は凡そ200gですが、力士の世界では桁が違います。具体的には丼茶碗大盛で2~3杯は食べる必要があり、少なくとも1kgはあります。えびすこ、と呼ばれている超大食いの力士の場合は1人でご飯1升分を軽く平らげることもあり、これは約2.4kgに相当します。逆に小食の場合は苦戦を強いられることになります。例えば、今では大横綱として君臨している第69代横綱の白鵬関は入門時62kgしかなく、初期の頃は稽古でなく、無理やり大量の食事を平らげて増量することに専念したほどです。ちなみに先述のシンクロナイズドスイミングの選手も体型を維持するために摂取するカロリー量は多く、力士の場合とそれほど変わりません。

このように、プロスポーツ選手として生計を立てるためには運動するだけでなく、それに相応しい食事量を取ることも一流の体型を作るのには不可欠ではないかと思います。